シリコンカーバイド表面の安定な酸窒化シリコン超薄膜の作製
シリコンカーバイド(SiC)表面に大気中でも安定な酸窒化シリコン超薄膜(Si4O5N3)を作製し、その構造決定に成功しました。

 SiCは、ワイドバンドギャップ、高絶縁破壊電界強度、高い熱伝導度などの優れた特性を持ち、次世代(省エネ)パワーデバイス
などへの応用が期待されています。しかし、酸化シリコンとの界面に高い界面欠陥密度が存在するため、デバイスとしての実用化
が困難でした。
本研究ではSiC表面に酸窒化シリコン超薄膜を作製する方法を見出し、その構造を低速電子回折により原子レベルで決定しました。
この酸窒化シリコン超薄膜は大気中でも安定で、単位格子内にダングリングボンドを持ちません。
走査トンネル分光の結果、酸化シリコン層のバンドギャップは9 eVで、バルクの酸化シリコンと同程度でした。
これらのデータにより、界面準位密度が高いために実用化が困難だったSiCの応用に道を拓く可能性があると期待しています。
図1.低速電子回折により決定した酸窒化シリコン超薄膜の構造モデル。
【論文】
Epitaxial silicon oxynitride layer on a 6H-SiC(0001) surface. Phys. Rev. Lett. 98 (2007) 136105-1-4.

【解説】
SiC上の結晶化SiON超薄膜.固体物理, 43 (2008) 231-237.
微傾斜SiC(0001)表面上の酸窒化シリコン薄膜の作製と低速電子回折による構造解析. 応用物理 77 (2008)10月号. 
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